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Capital StrategyFractional CFO
ストックオプション
Stock Option
読み: すとっくおぷしょん
定義
ストックオプション(Stock Option)は、会社が役職員に対して報酬・インセンティブとして付与する新株予約権。将来の一定期間内に、予め定められた行使価格で自社株式を取得できる権利。
類型:
- 税制適格ストックオプション — 租税特別措置法第29条の2の要件を満たし、権利行使時の給与課税が繰延べられ、株式売却時の譲渡所得課税(約 20%)のみとなる
- 税制非適格ストックオプション — 権利行使時に給与所得として総合課税(最高税率約 55%)
- 有償ストックオプション — 役職員が公正価値で購入する。給与課税なし
- 信託型ストックオプション — 2023年の国税庁見解により給与課税が原則との整理がなされ、実務設計が見直し中
会計基準・法制度上の位置づけ
会計処理:企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」。付与時の公正価値を費用計上し、権利確定期間にわたり費用配分する。
法制度:会社法第236条以下(新株予約権)、第238条(募集事項の決定)、第240条(有利発行規制)。
税制適格の主要要件:
- 付与対象者が発行会社またはその子会社の取締役・執行役・使用人
- 権利行使価格が付与時の株価以上
- 権利行使期間が付与決議日後 2 年経過日から 10 年以内(設立 5 年未満の非上場企業は15年以内)
- 年間権利行使価額 1,200 万円以下(2024年改正でスタートアップ向けに緩和)
- 権利行使時の株式の保管委託
CFO・経営者視点での論点
- 希薄化率の管理。シリーズ A〜C を経て IPO 時点で総発行済株式の 10〜15% を割り当てることが多いが、既存株主(特に VC)との合意形成が必要
- 付与タイミングと行使価格。バリュエーションが上がるほど従業員の行使益が圧縮される。付与は入社直後、または重要な資金調達ラウンドの直前が税務上の効率が高い
- 税制適格維持の管理コスト。権利行使時の保管委託契約、要件を満たすための就業継続管理など、運用体制が必要
- 信託型 SO の再設計。2023年以降、信託型で給与課税リスクが顕在化。既存の信託型 SO を税制適格または有償 SO に切り替える案件が増加
- 退職者の取扱い。Good Leaver / Bad Leaver の区別、未行使 SO の失効条件を付与契約で明確化する