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M&A AdvisoryFractional CFO
マルチプル法(類似上場企業比較法)
Comparable Company Analysis
読み: まるちぷるほう
定義
マルチプル法(Comparable Company Analysis, 略して「Comps」)は、類似上場企業の株価や類似 M&A 取引事例から算出される財務指標倍率を対象企業に適用して企業価値を算定する手法。マーケットアプローチの中核。
頻用される倍率:
- EV / EBITDA — 最も汎用性が高い。資本構成・税率・減価償却方針の差を除去できる
- EV / EBIT — 減価償却費が過小な業態で補正的に使用
- PER(株価収益率) — 株主価値(Equity Value)を直接算出する場合
- PBR(株価純資産倍率) — 金融業・資産保有業態での補助指標
- EV / Revenue — 赤字先行ビジネス(SaaS 等)の代替指標
実務上の論点
DCF 法と比較したマルチプル法の特徴:
- 市場の直近評価を反映するため、DCF のような長期前提の積み上げが不要
- 類似企業の選定が結果を支配する。事業ポートフォリオ・規模・成長率・収益性が似ている上場企業群を絞り込む作業が本質
- 非上場企業への適用では、流動性ディスカウント(20〜30%)やマイノリティ・ディスカウントを適用するのが実務慣行
実務では DCF とマルチプルのクロスチェックが標準的な進め方。両者が大きく乖離する場合、事業計画の実現可能性か、類似企業の選定の妥当性か、どちらかに問題がある可能性が高い。