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M&A AdvisoryCapital StrategyFractional CFO
企業価値評価
Business Valuation
読み: きぎょうかちひょうか
定義
企業価値評価(Business Valuation)は、企業全体の経済的価値——事業価値(Enterprise Value)と非事業資産の合計——を定量的に算定する行為。目的は M&A 取引、組織再編、減損テスト、株式買取請求の公正な価格決定、資本政策の意思決定など多岐にわたる。
評価アプローチは3類型:
- インカムアプローチ — 将来収益・キャッシュフローを割り引いて評価(DCF 法 等)
- マーケットアプローチ — 類似上場企業・類似取引事例との比較で評価(マルチプル法 等)
- コストアプローチ — 純資産価値をベースに評価(修正簿価純資産法等)
会計基準・ガイドライン上の位置づけ
日本公認会計士協会 「企業価値評価ガイドライン」(経営研究調査会研究報告第32号)が3アプローチの枠組みと各手法の詳細を示している。実務ではこのガイドラインが日本における準拠基準として機能し、裁判所の価格決定事件でも頻繁に引用される。
会社法上の適用場面は多岐にわたる:組織再編の対価の相当性(会社法第795条第2項等)、反対株主の株式買取請求における公正な価格(会社法第785条・第469条)、譲渡制限株式の売買価格決定(会社法第144条)、株式併合の反対株主の買取価格(会社法第182条の4)など。
実務上の論点
- 単一手法に依存しない。ガイドラインは複数手法の併用を原則とし、それぞれの算定結果をレンジで示すことを推奨している。実務でも DCF+マルチプル+直前期取引事例の 3〜4 手法併用が標準
- 評価目的ごとに前提が異なる。M&A でのスタンドアローン価値、シナジー効果反映後の価値、減損テストの使用価値は、同じ企業でも異なる結果になる
- 評価時点の特定が重要。合併比率算定日、株式買取請求日、減損テスト実施日など、評価目的によって時点が異なり、想定される情報セットも変わる